「巨大物流ターミナルを探検する」
第45回神奈川歯科技工ネット研究会レポート
ヤマト運輸株式会社羽田クロノゲート見学会レポート
「巨大物流ターミナルを探検する」
レポーター:小倉洋( ODE 代表 )
去る平成26年8月29日(金),ヤマト運輸株式会社 羽田クロノゲート工場見学会に参加した(参加人数は会員8名・家族4名・オブザーバー1名の計13名).当日は小雨の降るなか,京浜急行線「穴守稲荷駅」徒歩5分の羽田クロノゲートにおいて朝10時より開催された.
羽田クロノゲートは平成25年9月に1,400億円かけて竣工され,平成26年2月に「羽田クロノゲート見学コース」がオープンした.施設を訪れると,真新しく斬新なデザインの建物が私たちを迎え,広々とした敷地内には保育所やカフェなどがあり地域貢献エリアとして運営している.
工場見学のスタートは,巨大なモニターが設置された「見学者ホール」にて,ヤマト運輸の歴史から宅配(宅急便)の仕組みなどの説明を受けた.ヤマト運輸は1919年に創業し,クロネコヤマトで馴染みのある宅急便事業が1976年にスタートしたとのことである.また2013年度の宅急便の取扱個数は過去最高の16億6587万個であるとし,日本全国を網羅している配達エリアの説明を聞いていると「物流とはまさしく社会経済の大動脈」であると実感した.
次に1階~2階の実際の荷物が仕分けされるエリアの作業を見学した,ここでは高機能なクロスベルトソータによる高速仕分け,ロボットアームや前詰め搬送機といった人の手に頼らない仕分け設備を採用している.これらの最新設備を投入することにより,従来の施設では1時間あたり約2万4000個だった仕分け数を1時間あたり4万8000個まで増やすことを実現している.
3階から上の階は付加価値エリアとなっており,見学コースの途中にあるバーチャル画像で説明を受けた.7階は医療機器の貸し出しや洗浄・メンテナンスしストックなどを行う「羽田メディカルセンター」があり.6階には,フルカラーオンデマンド印刷機が設置されていて,単に受注印刷するだけに留まらず,封入・配達までまとめて行う「メーリングソリューション」も行っている.その他にも,国内外から調達・納品される製品・部品等を,納品先ごとにまとめて出荷する「クロスマージ」や複数の国で製造された製品や部品を,輸入通関し,組み立てやメンテナンス・修理などの作業を行う.
さらに,この巨大な施設をコントロールし頭脳というべき「集中管理室」や「展示ホール」を見学し,最後に見学者自身が仕分け作業を行うことでお土産を頂き,短く感じられた90分間の見学が終了した.
羽田クロノゲートを見学して,ヤマト運輸株式会社が単なる運送業に留まらず,付加価値を創造し常に進化を続けようとチャレンジしている姿勢に感銘を受けた.考えれば企業として組織として当たり前のことだが,自身を振り返って「人に必要とされる」努力を本当に行っているか,自問自答した一日となった.
工場見学の後は羽田沖が穴子の名産ということもあり,穴子天重の有名店「食通ゆたか」で暑気払いを兼ねた昼食に穴子の天ぷらを頬張った.
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クロネコヤマトの新拠点,ヤマトHD「羽田クロノゲート」見学記 - Car Watchより