ホーム  >  研究発表報告  >  「私の会社経営フィロソフィー」

「私の会社経営フィロソフィー」

「私の会社経営フィロソフィー」

-株式会社アイキャスト代表取締役  宮本 浩 氏 講演- 

 

株式会社ウェイド   木下 勝喜


 

去る2月17日(金)神奈川県歯科技工士会中会議室において第22回神奈川歯科技工ネット研究会定例会が開催されました.

 

今回は,第1部「ノンクラスプデンチャーの材料開発と展望」第2部「私の会社経営フィロソフィー」というテーマで株式会社アイキャスト 代表取締役であり,株式会社ニッシン 代表取締役専務の宮本浩氏にご講演頂きました.

 

DSCN4831a.JPG

 

 

ニッシンは歯科大学,歯科技工専門学校などの教育で使用されている歯列模型を製造販売をしている会社であると認識しておりましたが,アジア,ヨーロッパなど50カ国以上の国々と取引をされているというお話には,まずもってスケールの大きさに驚きました.

 

 

●テーマ1.「ノンクラスプデンチャーの材料開発と展望」

 

第1部では株式会社アイキャストが3年前ラボと一緒に歩み,共に生きて行く会社として技工材料に特化した会社を設立され,少しでも歯科技工士の労働環境改善の手助けができればという中で「金属床」と「エステティックデンチャー」に注目し,金属床にはBEGO社の鋳造システムの取次,エステティックデンチャーにはポリエステル系樹脂の「エステショット」の開発に至った経緯をお話頂きました.

 

さらに今春新しく改良され“つよしなやか”というキャッチフレーズで売り出された「エステショット ブライト」にまつわる開発秘話までお話頂きました.

 

また,株式会社ニッシンでは光触媒を応用した義歯洗浄剤なども製造販売されていると聞き,人工歯などの義歯専用歯科材料を製造販売されている株式会社ニッシンならではの着眼点だと思われました.

 

さらに異業種ではあるが,若い女性に人気のネイルアートに着目し,ネイル関連商品の開発,製造販売なども事業として展開していると伺い,歯科業界だけにとどまらずさらに異業種業界にも視野を広げているという話には驚きました.

 

 

●テーマ2.「私の会社経営フィロソフィー」

 

第2部では「私が挑戦していること」(経営のやり方からあり方への気づき)というテーマでお話を伺いました.

 

株式会社ニッシン専務として取り組んだ経験談は経営者が集まる神奈川歯科技工ネット研究会にはとても参考になる話であったと思われました.

 

最初に,15年前に中国工場を昆山に設立した時の前社長の経営判断力や当時中国人のスタッフを日本人と同じ環境作りと社員教育で雇用し,15年経った今でも辞めずに全員残って従事してくれているという事実は自慢だと力強く語られました.国内・国外を問わず,社の従業員をとても大切に思い,真摯に実行している会社なのだという印象を受けました.

 

その後,10年前に前社長から引き継いだ株式会社ニッシンという会社をどのようにして立て直していったかという話には今後経営をして行く者には学ぶことが多かったと思われます.

 

当時の経営状態を考え経営塾に通いながら1から勉強を始め,経営者とは何なのか?社員とは何なのか?会社とは何なのか?を考え,「永続的発展企業」というキーワードを目標ににし,一人では何もできない,手段だけでは誰も付いてこないということに気づき,「哲学=フィロソフィー」を学ばなければ,人間を磨かなければと奮起したと話された.その中で,経営のやり方からあり方への変化が必要,理念と方針の重要性に気づき,働くみんなが納得できる企業理念と企業方針を考え出したとのことでした.

 

企業理念と企業方針がなぜ重要なのか?

 

会社の向かう方向性=事業目的と意義を明確ににし社員全員のベクトルを合わし,仲間と一緒に燃え続けたいという気持ちになったと熱く語られた.

 

株式会社ニッシンは社員が主役で社員一人一人が輝いている大家族のような,全従業員が物心両面の幸福と成長を希求し,お客様と共に世界の人々の笑顔作りに貢献するということを掲げ,まずは社員教育を核として再スタートを切った.

 

そのために技術者集団であった株式会社ニッシンにおいてそれまでは“見て覚えろ”というものであった技術教育システムをマニュアル化し,さらに人事システムの構築に着手した.

 

社内改革を遂行している当時,齋藤隆司社長率いる株式会社コアデンタルラボ横浜の社内見学をした時に垣間見た社員教育システムが多いに参考になり,報恩感恩(全体に感謝しその感謝に報いるためなら後輩の為にがんばろう)の精神がとても参考になったと語られた.その報恩感恩の連鎖が会社を成長させ,永続的発展企業を作って行くのだという話はとても為になりました.

 

 

株式会社ニッシンが取り組んだ事業改革について考えました.

 

 

事業改革をするにはまずもって自分の会社の現状を熟知しなければ遂行できないし,一歩間違えれば内部分裂ということにも繋がる,とてつもなく大きな判断・決断なだけに宮本専務の行動力と,成功したという事実の裏には想像以上のご苦労があったのだろうと大いに考えさせられました.24時間四六時中会社のことを考え,悩み苦しんだのではないでしょうか.

 

そういった中で生み出された企業理念,企業方針はとても意味のある重いものだと考えます.現実のところ,社員に浸透していない理念,方針を掲げる企業は少なくないのではないでしょうか?

 

私も規模は小さいが一企業の経営者です.宮本専務の講演をお聞きし,雷に打たれたようなショックを受け,もっと経営というものを勉強しなければならないと強く感じさせられました.

 

多くの経営者が在籍する神奈川歯科技工ネット研究会において,今回のような明日からの経営に参考になる話はとても有意義なものだったと思います.貴重な講演を拝聴させて頂きました宮本専務にはこの場をお借りして御礼を申し上げます.

 

最後にこのような学ぶ場を設けて頂きました神奈川歯科技工ネット研究会とお忙しい中定例会の準備に時間を費やして頂きました運営委員の方々に心より御礼申し上げます.

 

 


 

株式会社アイキャスト

 

株式会社ニッシン

 

株式会社ニッシン スペースネイル事業部

「~コアデンタルにおける ISO の取り組み~」 研究発表報告 「メーカーの営業手法と技工営業」
メニュー
  • トップ
  • 会員紹介
  • 歯科技工ネットとは
  • 研究発表報告
  • 次回セミナー情報
  • 技工コラム
  • お問い合せ