「Dental Technological Evangelism〔歯科技工技術のエバンジェリズム〕」
第37回神奈川歯科技工ネット研究会 特別講演会レポート
「Dental Technological Evangelism〔歯科技工技術のエバンジェリズム〕」
D. T. エバンジェリスト 仁科 匡生 氏
レポーター:河村 昇(鶴見大学歯学部歯科技工研修科)
去る平成25年9月20日(金)かながわ県民活動サポートセンター会議室304号室において第37回神奈川歯科技工ネット研究会の定例会が開催された.参加者は14名.
今回は仁科匡(ただ)生(お)先生(元神奈川歯科大学附属歯科技工専門学校副校長)によるDental Technological Evangelism 〔歯科技工技術のエバンジェリズム〕というテーマで会員への講演が行われた.エバンジェリストとは,語源はキリスト教布教における伝道師または伝道者から来ている.現在においてはIT業界でよく使われている言葉であり,仁科先生もエバンジェリストに自らを重ね合わせ,歴史を語りながら未来を語る.これからの歯科技工業界に何かを伝えていきたい.また他分野の世界に対しても,この歯科技工を伝えて行きたいと訴えた.先生はこのような活動を行うためには,まず自分を知って頂く必要があると考えた.今までに歯科技工業界に残した自らの業績を自分で整理し,プレゼンテーション出来るようにまとめていた.これはかなり大変な仕事であると感じ取れた.先生は今までも時代の先を見つめ,これだと思えば誰よりも早く行動に移す.今回も iPhoneを片手にiPadを操作しながらプレゼンテーションの画像を動かす姿は御歳71歳の齢を感じさせないような指使いで,さすがは仁科先生と感心させられた.やはり先生は自らの世界観を持っている.
神奈川歯科大学附属歯科技工専門学校での教務主任時代に,2年制から3年制,4年制の技工士学校(高等教育制度)を作るために取り組んでいた膨大な資料を提示され,その中には4年間に必要なカリキュラムが事細かく記されていた.仁科先生が考える歯科技工士学校,歯科技工教育は常に時代の先端を行き,リーダーシップをとる必要がある.歯科技工技術の啓発,技工教育の進歩,また歯科技工そのものはこれからも必要であると述べた.このように神奈川歯科技工ネット研究会会員への“特別講義”ともいえる業界の将来を展望した総論的な講演を行った.
仁科先生は現役時代に広範な研究領域を精力的に,独自に開拓された.そのアイデアの一つひとつが具現化され,現在の私達の技工システムに息づいている.仁科先生にはこれからも定期的に,大いに私達を啓蒙して頂きたいものである.
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